まだ高い?やっと下がった?アルミ相場に思うこと

2025年4月の国内アルミ地金価格は@427.7円/kg。3月の@492.8円/kgからはようやく大幅に下がりましたが、それでもまだ“割高感”は否めません。

私自身、需要の鈍化や経済の停滞を肌で感じている中で、アルミ価格だけが高値を維持し続けていたことには、正直なところ違和感と不満を持っていました。もちろん、在庫評価の観点などから、この価格水準を歓迎している業者もあるかもしれません。ただ、原材料として日々使う立場としては、納得しづらい価格帯が続いていたというのが率直な感想です。

目次

LME価格との比較

4月のLME(ロンドン金属取引所)現金価格の月平均は2,381.25ドル/トン。同月の為替レート(1ドル=144.25円)で円換算すると、約343.3円/kgとなります。
これに対し国内価格は@427.7円/kg。差額の約84.4円/kgは、輸送費や在庫リスク、需給プレミアムなどが上乗せされた結果と考えられます。

今後の下落予測と試算

ゴールドマン・サックスは2025年4月のリポートで、世界的な需要鈍化と供給過剰見通しを背景に、LMEアルミ価格が第3四半期に平均2,000ドル/トン前後まで下落するとの予測を発表しました。

この価格水準を前提に、為替レートが144.25円のまま推移すると仮定すると、

2,000 × 144.25 ÷ 1,000 = 約288.5円/kg

これに現在のプレミアム分(約84.4円/kg)を加味すると:

288.5 + 84.4 = 約372.9円/kg

ようやく“実態に近い価格”が見えてきます。
製造業側の立場からすると、これくらいの価格に早くなってほしいものです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次